2025/12/01
【vol.79】Benefit of inconvenience(不便の恩恵)
2025年12月・2026年1月のニューズレター
Benefit of inconvenience(不便の恩恵)
電気を消してキャンドルを灯して過ごそうというスローライフ運動「キャンドルナイト」。他にも環境問題や防災意識の向上、平和と鎮魂への祈りなどの意味もありますが、もうひとつ「不便益」を実感する手段にもなります。
電気のない不便さの中で感じるのは、夜本来の静けさや星の瞬き、鳥の声や虫の音。炎のあたたかな色やゆらめきが周囲の人を引き寄せ、いつもよりゆったりと深い話もできるでしょう。さらに、人工的な刺激を受けていないので、横になればスムーズに眠りにつけます。不便だからこそ受けられる恩恵……そこには、現代では薄まりつつある「豊かさ」があると思いませんか?
でるたーより
不便益とは、京都先端科学大学の川上浩司教授が提唱した言葉で「不便だからこそ得られる益」のことです。
三大家事の料理・洗濯・掃除も、道具の進化によって随分と自動化・効率化されましたね。便利とは、人が頭や体を使い時間をかけてやっていたことを、機械が代わりにサクッとやってくれることです。おかげで疲れないし、ゆとりも生まれるはずなのに、実際は忙しくて疲れている人が多いですよね。
手紙を書くために握っていたペンがスマホに替わり、辞書や事典を開かなくなって「言葉や知識を自分のものにする感覚」が減り……。苦労や手間をかけることが少なくなった分、達成感や感動が薄まっていませんか? 簡単・便利を得る引き換えに、私たちが失っているものもあると思うのです。
来年の干支は午。車と比べたらとても不便な馬車ですが、パッと思いつくだけでも、特別感、観光資源、アニマルセラピー、リラックス効果などの益がみつけられます。みなさんも身の回りの不便益を探してみてください。
次回は2月にお届けします。どうぞ、健やかにお過ごしください。