【vol.52】上を向いて 歩きませんこと？

あの方も、この方も、どなたも私をみつけてくださいません。手のひら以上もある立派な花だというのに。梅雨なので、傘で見えないと思いたいけれど、そうとも限らないと存じております。スマホを見たり、うつむいたりしていらして、上を向いて歩く方って、少ないのです。
私が咲いてる泰山木は、とても大きく、中国の泰山という立派な山が名の由来ですの。ですから、上を向かないと目に映りません。もしもあなたさまのお目にかかれたなら、きっと私に触れてみたくなりますことよ。大盃のような花弁にそっと手を添えて、優しい香りを味わっていただきたいの。
いつもと少し目線を変えるだけで、素敵な出会いや気づきがあるやもしれません。そうしたら、心も上向きになりますことよ。

「前途洋洋」「壮麗」「威厳」どれも、泰山木の花言葉です。堂々とした立派な樹木とかぐわしい香りを大きく放つ、美しく白い花にちなむと言われています。
昔から「５月病」とはよく言われたものですが、近年では新入社員研修や配属が終わった６月ごろに、仕事への意欲をなくしたり、心身の不調を感じたりする「６月病」が社会でも認知されつつあります。
梅雨の何となく暗澹とした雰囲気に飲まれそうになったときには、何の根拠もなく「前途は洋洋だ」とつぶやいてみませんか？　これは「将来が明るく、希望がもてる」という意味の言葉です。視点を変えることで、気づいていなかった素晴らしいことに気づくかもしれません。
何かしらの困難が待ち受けているとしても、前がひらけているとステキですよね。
「明るい未来を思い描くこと」。これも、社会人として長く勤めていくために必要であり、大切なスキルのひとつではないでしょうか。
次回は８月にお届けします。どうぞ健やかに、お過ごしください♪
　

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