2020/04/22

1人だけど、3分割

 
2020年2月をもって、スタッフのYが再び産休・育休に入ることになりました。それを機に行われた業務の引き継ぎの際に出てきた話が興味深かったので、みなさんにもご紹介させてください。
 

人を「人」として捉えるか、役割を「機能」として捉えるか

職場で人が減るとなると、新しい人を入れようと「人を人で補う」ことが一般的だと思います。過去、デルターでもそういうことをしていました。特に専門職のスタッフがいなくなると、新しい人を入れざるを得ないですよね。ただ、今回は産休・育休なので「戻ってくる」ことが大前提。しかも、早ければ3カ月、長くても1年となると、みなさんならどうしますか?
今回デルターでは、Yが果たしている役割を「機能」と捉えて3分割し、それぞれを得意とする3人に割り振ることにしました。定期業務はTに、総務はIに、そしてライティングはKに、といった具合です。理屈はわかると思いますが、実際には3人にも本来の果たすべき役割があり、それなりの量の仕事があります。しかし、3人は、快く引き受けてくれました。

就業時間の50%は「学習と成長の時間」

なぜ、人が減っても新しい人を入れずに仕事が回せるかというと、普段から就業時間の50%を「学習と成長の時間」に割り当てる努力をしているから。具体例としては、就業時間中に全体での社員教育やグループでの勉強会を実施したり、新たな技能を身につけてほしいスタッフには個別にリサーチや勉強の時間を持ってもらったりと、全体で取り組むこともあれば、実務ベースでグループや個人で取り組むこともあります。
実際はまだ50%に満たないですが、今回のような場合は一時的に「学習と成長の時間」を「仕事の時間」に当てることで、必要以上に残業したり、無理な負担を抱えたりせず、円滑に仕事を回すことができます。
また、残り50%の「仕事の時間」でも、個別業務をスリム化できるように業務改善を積み重ねてきました。合言葉は「属人性を減らす」。ただし、単純に誰にでもできるようにしたわけではありません。みんなでできるようにしたうえで、それをやる人のその人らしさが発揮できる工夫を加えてきました。
高い能力を持ったスタッフの機能をハッキリさせ、属人性を低くしているから仕事を割り振れるようになり、その人らしさが発揮できるから復帰のしがいもあり、残されたスタッフも居ないスタッフの存在を大切にして踏ん張れる、という組織に成長してきたのです。

うまくいかないことこそ「会社の肥やし」

もちろん、最初からこういうことができる会社だったわけではありません。何度も失敗を重ねて、見えてきたものを確実に糧にして、トライアンドエラーを積み重ねた結果として、こうした工夫ができる風土と組織ができあがってきました。
これは改善に取り組む過程で、結果として失敗に終わったことを「会社の肥やし」と捉えて喜べたことに勝因があると思います。うまくいかなかったことを価値のあるものとして扱えること、こういう考えを全スタッフで大切にできることが、より良い組織づくりのベースにあると信じて、これからも邁進していきます!

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