2018/08/22

1/365のどろぼう猫

1/365のどろぼう猫
1/365のどろぼう猫

情報汚染への耐性を高める

世の中、楽しくないニュースが繰り返し流れていて「なんだか心配」なんて思っちゃうこと、ありませんか? でもしっかり調べてみると、世の中そう捨てたものではないこともあります。デルターでは、こうした「情報によるネガティブな気分」を「情報汚染」と呼んでいます。
マスメディアの役割は「危険情報のお知らせ」なので、心配な情報が伝わるのは当然ですし、大切なことなんです。でも、現実以上に不安になるのは困りもの。今回は、とある町にすむノラ猫のたとえ話を使って、感覚のズレの直し方について考えてみます。

情報過多による感覚の変化

あるところに、365軒の家が並ぶ街がありました。そこに1匹のノラ猫が暮らしています。1日1軒ずつ回っていき、ニャアニャアと鳴いてご飯をねだったり、ひなたぼっこをしたり。たまにいたずらをして、オヤツをねこばばすることもあります。
こうしたノラ猫の訪問は、ひとつの家にしてみれば1年に1回だけの出来事でした。ところが町内でSNSが広まるにつれ、あちこちから目撃情報が出回り始めました。たまのいたずら話も、毎日目に入るようになりました。

するとだんだん、毎日そこら中でノラ猫が悪さをしているような印象が生まれてきたのです。ついには「家々を荒しまわり、食事を略奪するどろぼう猫が出没している」なんていう噂まで。でも現実の町内には、ご飯が食べられなくてひもじい思いをしている猫が一匹いるだけです。

錯覚に対する過剰な対応

さまざまなメディアを通して、似通った情報を何度も目にすることで、実際以上に問題が起きているような錯覚を起こすことはよくあります。すると現実を超えた、過剰な対応をするようになり、いろいろと無駄や歪みが生まれます。
ノラ猫が暮らす町内では、戸締りが厳重になりました。ノラ猫の面倒をみる人を非難する声もあがります。ご近所付き合いは薄らいで、人と人の交流も途切れてしまいます。なんだかおかしな状態です。
しかし自分の家のことを思い返してみれば「あれ、1年に1回しか来てないぞ?」と気づけます。そこから隣近所に聞いてみたり、投稿はいつごろあったのか調べてみたり……と、現実に起きていることを調べれば、地に足の着いた状況をつかむことができます。

情報の活かし方で未来は変わる

もし町内でノラ猫の動きを正しく共有できたら、家ごとに順番に餌を用意することもできます。みんなで猫の世話をするようになれば、町内の一体感はますます高まります。同じ情報でも、扱い方でまったく違う状態が生まれるのです。
ノラ猫はあくまでもたとえ話です。しかしこのノラ猫は、さまざまな出来事に置き換えられます。事故、格差、犯罪、景気……。日々ふれる情報に溺れそうになったら、ちょっとノラ猫のことを思いだしてみてください。
もちろん危険情報をおろそかにしてはいけません。その上でネガティブな気分を追い払って、バランスの取れた視点で現実を眺めましょう。そしてよりよい方へ向かう道を探してみてください。ホントの未来は、そこにあります。
 

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