2012/6/19

折り目を大切に[vol.11]

こんにちは、e-ラボレターです。

6月も半ばを過ぎ、1年の半分を折り返しました。
知らず知らず日常になれ、気がゆるみがちなこの時期。
折り返しのタイミングを使って改めて身を引きしめ、これからの半年を過ごしていきたいですね。

折り目を大切に

今の世の中、人に対して声高に助言や指導をすることが、なんとなくはばかられる……。そんな雰囲気が、あるような気がしませんか?

電車の席に座っていて、お年寄りが乗ってきたとしましょう。隣には元気な学生が座っています。こちらは社会人です。
かつては「お前たち、席をお譲りしないか!」なんて威勢の良い声が響いたものです。
でも今は、学生が動かないと社会人が自ら席を譲ったりします。これはこれでひとつの礼儀なのですが、なにか違和感があります。今どきそんなことを言ったら学生は「だったらあんた、ゆずりなよ」なんて言うのでしょうか。

それに対して、昭和30、40年代の社会人はこう答えたものです。
「俺たちは社会人だ。金を稼ぎ、税金を納めて社会を支えている。
 お年寄りは、その前の社会を支えてくださった貢献者だ。
 お前たちは、その社会で学ばせてもらっている身分だ。
 こんなときこそ、役に立とうとは思わんのか!」
自分が社会を支えているという自覚が、ごく自然にあったのでしょうね。戦争で何もかもなくなってしまった社会を自分たちが再びつくりあげている。という気概があったのかもしれません。
それにしても、そういうことを言われない現代の学生たちは、とても大切なことを、教わりそこねているような気がします。

やはり折り目を正すことも必要ですね。そうすることで見えないほど小さな、それでいて大切な間違いの芽を、未然につみとることができるのかもしれない、と思うのです。
とはいえ、実際に折り目を正すのは難しい。
ただひとり、そこで大きな声を出すというよりも、世の中全体の雰囲気を変えていくことが、必要なのだと思っています。
いつか、電車の中でも自然にそんな声が聞こえるように、社会の一隅から少しずつ始めていけたらな……。
そんなことを思っています。( k. )

六芸(りくげい)

From Staff >>>...ki3e

古代中国で君子の基本教養といわれた「六芸」。
礼(礼節)、楽(音楽)、射(弓術)、御(馬術)、書(文学)、数(数学)の6つがあります。なかでも『礼』は、現代の私たちも身につけたい教養です。

『礼』つまり礼節とは、相手を重んじて行いをていねいにする「礼」と、その時どきに応じた行動ができる「節」を意味しています。「礼」と「節」このふたつを自然にふるまうことができて、はじめて『礼』を身につけたといえます。

この『礼』を身につけて、人は一人前といえるのでしょう。
言葉にするのは簡単ですが行動が伴うように、いつも心がけて過ごしたいと思っています。

e-LabLetter 第11号 2009/6/19(Fri)

 
 

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